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Thank you for smoking


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「サンキュー・スモーキング」

健康ブームのアメリカで巧みな広報戦術によりタバコのPRに努めるビジネスマンのお話。

初めは「喫煙を擁護する映画か?」と思いましたが、違いました。

登場人物の喫煙シーンが皆無に近かったことを考えると、

製作側はおそらく禁煙派を強く意識しています。

では映画の主題は何か?

タバコと肺がんの因果関係ではなく、

話術です。

仕事ぶりを見る限り、主人公のニックは相当できるPRマンです。

業界がマイナスイメージなため彼の仕事はあまり歓迎されませんが

そういうのを抜きで考えると

自分にとって不利な状況でも喋りのテクニックでそれをひっくり返してしまうニックの能力は

あらゆる仕事のお手本になると思います。



節々にブラックなユーモアが出てきて、笑える映画でした。

ニックにアルコール業界と銃業界のPR担当を加えた

「死の商人」連中で飲むシーンが何回かあるのですが、

特にこの3人のやりとりがシニカルで好きです。



タバコについて考えてみると、

日本でも禁煙の風潮が高まっているので

私たちに身近な問題としてこの映画を見ることができます。

日本でもいつからかタバコのパッケージに

「喫煙は肺がんの発症率を高めます」

のような注意文が載るようになりました。

欧米はもっと過激です。

「Smoking Kills」ですから。

でもいくら過激な警告文を載せたところで、吸う人は吸うでしょう。

大々的に禁煙をPRすることの是非についてこの映画が示すひとつの答えは

「あとは本人の選択の自由。マックやコーラと一緒。」

ということ。

究極的にはすべてのことにあてはまるのではないでしょうか。



笑いだけでなく、考える要素もいっぱいつまった一本でした。

by akio-511 | 2008-01-14 00:37 | 映画  

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