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難民問題

今日は午前中に政治学、午後に数的推理と行政法を勉強しました。数的推理はほんと苦手です。水に塩を入れてみたり、電車が鉄橋を渡り始めてから渡り終わるまでの時間を計ってみたり、A君が待ち合わせに3分遅れたりB君の時計が5分進んでいたり、一体何なの??

僕は国家公務員・地方公共団体職員を目指して勉強しているのですが、そもそも公務員を目指す理由は在日外国人のために仕事をしたいからです。外国人が暮らしやすい社会、多文化共生社会の形成に行政面から携わりたいのです。ですから難民問題にも自然と関心が向きます。

以下、とても長いので時間のある方は読んでください。

最近サークルで難民について勉強し始めました。メンバーで役割分担をし、僕の担当は日本の難民問題について調べることです。とはいっても何から調べれば良いのか分からなかったので、とりあえず基礎知識を得ようと思い、「難民問題とは何か」(本間浩著、岩波書店)を読みました。1990年出版なので文中のデータなどは今となっては古いものだけれど、難民条約の概略や日本の難民政策の概要を把握することができました。

まず、難民とは何か。難民条約によれば「人種、宗教、国籍若しくは特定の社会集団の構成員であること又は政治的意見の理由で」迫害を受ける恐れがあるという恐怖があるために国外にある者、だそうです。これはあくまで狭い意味の難民で他にもさまざまな難民がいます。戦災難民、経済難民、飢餓難民などは広義の難民と言われます。

日本は概して難民の受け入れについては消極的です。日本の難民受入総数は約2700人。タイの113,000人、アメリカの485,000人、ドイツの900,000人と比べると日本の受入数の少なさが際立ちます。

日本が主に受け入れてきたのは条約難民といわれる狭義の難民とインドシナ難民です。インドシナ難民はヴェトナム戦争時に大量に発生し、アメリカからの要請により日本も積極的に受け入れました。これら以外の広義の難民については受け入れ対象ではありません。

なぜ日本の難民受入数は少ないのか。難民認定審査が非常に厳格なのが一つの理由です。日本の当局・裁判所は通常の民事・刑事裁判と同様に証拠による厳格な審査方法しか認めていません。難民認定申請・審査の段階で十分な証拠がない場合は認定されません。しかし実際は、命からがらで他国にたどりついた難民が証拠になるようなものを持っているはずがありません。

ではなぜ日本は難民を受け入れたがらないのか?この点については勉強不足です。

難民の一時滞在収容施設について、その劣悪な状況を耳にしました。食事はベジタリアンや宗教に全く配慮しておらず、一人に与えられるスペースは畳一つ分、運動時間は少なく、そこでの生活はまるで刑務所のようです。不法滞在や偽称の難民であったとしても彼(女)らの人権は無視されてもいいのでしょうか。仮に正当な理由があって難民受入れに消極的であるとしても、救いを求めて日本にやって来た難民をせめて人として扱うことは最低限の義務だと思います。

最も関心があるのは難民が難民として認定された後の定住についてです。認定された難民は日本において一市民として生活するわけですが、就職先はちゃんとあるのでしょうか?日本の文化や地域社会にうまくなじめるのでしょうか?
一番の問題は言語だと思います。欧米では多くのNGOやボランティアグループが言語・文化面での支援を行っていますが、残念ながら日本ではそのような活動はあまり活発ではないようです。先日お会いした在日10年以上のビルマ難民の方はこれまで独学で日本語を勉強してきたそうです。今年からやっと自費で語学学校に通うそうですが学費が高いと嘆いていました。

日本の難民政策における問題点は認定審査プロセスにおける当局の非人道的な対処、そして難民の定住に対する不十分な支援である、というのが日本における難民政策をひとまず概観してみての僕の考えです。後者については特に関心があるので定住支援を行っている市民グループにあたってみたり、さらにリサーチできたらいいなと思います。

なんだか初日からくそ真面目な内容になってしまいました。まぁ、たまにはこういう風に真剣に物事を考えてみるのもいいでしょう。

by akio-511 | 2005-02-18 22:50 | ニュース  

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