久しぶりに映画館に行きました。
DVDで観てもいいかな、と思っていたのですが
大きなスクリーンと良質なサウンドで観て正解でした。
監督はイギリスのダニー・ボイル。
個人的には「トレイン・スポッティング」がとても印象に残っています。
本作品のテンポや音楽の良さもトレスポの匂いがします。
夕食の後で観たので、途中で寝てしまうかも・・・と思っていましたが
そんなのは杞憂でした。
スラムで育った無学の青年・ジャマールが、ある目的でクイズ番組に出演し
どんどん正解して、みのもんたっぽい人も番組製作者も観客も国民もビビリまくり
というお話です。
彼が歩んできた人生をたどりながら
いかにクイズの答えを知り得たのかを追求していくわけですが
映画の見どころは、なんといってもジャマールたちが駆け抜けるインドの風景と
彼らを通して見る、発展の裏側に存在するインド社会の現実でしょう。
映画の舞台であるインドのムンバイには、2004年の9月に1週間ほど滞在しました。
滞在中にある学校を訪問し、そこで知り合った二人の子どもの家にも遊びにいきました。
一人はマンションに住んでいました。
あまり広くはありませんでしたが、
お父さん、お母さんとあわせて三人家族なので十分でしょう。
インターネットも完備。さすがIT大国です。
そこでの生活はとても快適そうでした。
もう一人は、「スラム」というとその子に怒られるかもしれませんが、
私たちから見れば、やはりスラムとしか表現のできないところに住んでいました。
映画に出てくる町並とそっくり。
一度路地に入り込んだら、二度と出られないのでは??とドキドキしました。
彼はお父さん、お母さん、弟と妹の家族5人で4畳の部屋2間の家に住んでいました。
寝室のベッドはひとつだけ。
でもテレビにはCNNやMTVやディスカバリーチャンネルが映るし
外に出れば友達がたくさんいて、クリケットもできるし
それなりに快適かも?と思いました。
日本が「格差社会」なら、インドは「超格差社会」でしょう。
ムンバイで出会った二人の子やジャマールを見てもわかるように、
そのような超格差の中でも、彼らは夢や希望を持っています。
過酷な人生でも誠実さを失わない主人公の姿に
とても胸を打たれる作品でした。
世界同時不況の中でこの映画が評価された理由がなんとなくわかる気がします。
赤壁の戦いを観ようか迷いましたが
この映画にして大正解でした☆
ファイナルアンサー!