人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ジョゼと虎と魚たち

ジョゼと虎と魚たち_c0061033_1302677.jpgタイトルとキャスティングに惹かれて、以前から観たかった映画です。
かなりツボ。
昨日観た「エレファント」とは対照的で、どのキャラクターも濃い!
明らかに「作られた」キャラクターなんだけどどこかリアルな匂いがして、絶妙。
こういう人間の見せ方も映画ならではの技だと思う。
あと、池脇千鶴が抜群にいいです。


奇麗事で終わっていないのが、いい。
すごく正直な映画だと思う。
人間の強さも弱さもイヤラシさもズルさも描かれていて。

この映画と直接関係しているわけではないけれど、ふと「セックスボランティア」という言葉が頭に浮かんだ。
セックスボランティアとは、簡単に言えば障害者のセックスの相手になってあげること。
この言葉を知ったきっかけはどこかで同名の本が紹介されていたから。
タイトルを見ただけで強い衝撃を受けたのを覚えている。
これまで障害者から目を背けようとしてきたつもりはないけれど、重度の障害者とセックスを結びつけて考えたことは正直なところ一度もなかった。というかそういうことはタブーで触れてはいけないことだ、と考えていたのかもしれない。
でもセックスも人間と人間の関係のひとつなんだから、そこから重度の障害者を除外する理由はどこにもない。
セックスによって得られる快感や性的満足が問題なのではない。
重要なのは恋愛や心と心の触れ合い、肌と肌の触れ合いを通して人と人との間に生まれるあたたかいもの、つながり、可能性、人間の関係なんだと思う。

足の不自由なジョゼもツネオとの恋愛によって、世界が広がった。
ツネオもまた然り。
恋愛って、素晴らしい。

by akio-511 | 2005-10-16 23:59 | 映画  

<< 京都、行ってきた Elephant >>